技術コラム

板鍛造とは?板金加工・冷間鍛造加工の違いやメリットのご紹介!

近年、金属加工部品に求められることが非常に多くなってきております。

「複雑な形状をもっと安く作ってほしい。」

お客様からこのような要望を頂いたことはございませんか?
自動車の軽量化や電動化への対応が求められる中で「低価格化」「高精度化」「高機能化」など非常に多くの要望に応えることが求められております。
一見無理難題に思えるこのような要望に応える工法が「板鍛造」です。

今回は、そんな「板鍛造」について概要の説明から他の工法と比較したメリットまでまとめてご説明させていただきます。

<目次>

  • 板鍛造とは
    • 板鍛造の紹介
    • 板金加工・冷間鍛造加工との違い
  • 板鍛造のメリット
    • 材料費節約によるコストダウン
    • 強度の向上
    • 加工時間の短縮
    • 工程の削減や短縮
    • 三次元成型
  • 板鍛造の難しさ
    • 金型の重要性
    • 設備の重要性
  • 当社の加工事例のご紹介
  • 板鍛造なら、池田製作所にお任せください

板鍛造とは

板鍛造の紹介

板鍛造とは、「板」と「鍛造」という言葉が組み合わされている通り、「板金加工」と「冷間鍛造」を組み合わせた加工法です。板金加工のメリットである複雑な形状の部品を安く成型できる点と、冷間鍛造のメリットである肉厚の部品を高精度に成型できる点の両方のメリットを組み合わせた加工法となります。そのため、板鍛造を活用すると、複雑な形状の肉厚部品を高精度かつ低コストで成型することが可能です。
FCF法(Flow Control Forming in Sheet Metal)とも呼ばれています。

技術自体は20年以上も前に開発されていますが、CAE・プレス機械・金型設計技術・金型の表面処理など、多数の技術を必要とする工法であるため、従来は電機製品の小物精密部品など用途が限定されておりました。

近年、要素技術が進化することで、当社のように様々な部品の成型にも活用されるようになってきました。

板金加工・冷間鍛造加工との違い

板鍛造は「板金加工」と「冷間鍛造」を組み合わせた技術と説明させていただきましたが、それぞれの技術との違いについて詳しく説明させていただきます。

板金加工

ステンレスやスチール、アルミや銅などの薄い板状の金属材料(コイル材)に力を加えて変形させる工法です。作りたい製品の大きさや用途を限定せず利用できる加工法であるため、様々な分野の製品の成型で活用されています。
【特徴】
種類:抜き、曲げ、絞り
応力:引張応力
材料:板
工程:低応力で多工程
製品形状:薄肉

冷間鍛造加工

常温の金属材料に金型(工具)で圧力を加えて、金属を金型の形状に沿って流動させることで所定の形状にする加工方法です。材料を熱して鍛造する熱感鍛造に比べて、熱収縮による変形がなく高精度の部品作りが可能です。
【特徴】
種類:据込み、押出し
応力:圧縮応力
材料:ビレット、棒
工程:高応力で少工程
製品形状:複雑形状

板鍛造加工

板金加工と冷間鍛造加工の組み合わせ。引張応力による板金加工で成型された製品の予備成型品に圧縮応力による鍛造成型を行うことで、高荷重で大きな変形を加えて完成品を成型する。製品の板厚が材料に比べてあまり変化しない通常の板金加工に冷間鍛造加工を加えることで、板厚を積極的に制御し複雑形状の成型が可能です。その結果、従来のプレス成型では困難と言われていた、高精度・差厚・段差・歯形のような複雑で高付加価値な成型が可能となりました。高付加価値な部品の成型でよくつかわれる切削加工の置き換えも可能です。
【メリット】
1,材料費節約によるコストダウン
2,強度の向上
3,加工時間の短縮
4,工程の削減や短縮化
5,三次元成型が可能

ただし、「板鍛造」では金型の負担が大きくなるためこれに耐えうる高剛性・高精密な金型の製作と高剛性のプレス機械が必要となります。

板鍛造のメリット

板金加工と冷間鍛造加工のメリットを組み合わせた板鍛造加工にはたくさんのメリットがあります。ここではそれぞれのメリットについて詳しく説明させていただきます。

コストダウン

板鍛造を使えば切削加工時に発生するような部材のロスがなくなるため、大幅なコストダウンが可能となります。加工費の削減、納期短縮等、部品全体としてトータルのコストダウンが可能です。

強度の向上

板鍛造を使えば切削加工のようにファイバーフローを切断する必要がないため、部品強度を保持することができます。また鍛造加工で金属内部の気泡や欠陥をつぶすことで金属の結晶構造が緻密になることで粘り強い金属となります。
※ファイバーフロー
金属が流動したときにできる金属繊維のながれのことです。製品の形状に沿ったファイバーフローができることで強度の高い金属となります。

加工時間の短縮

板鍛造はプレス加工で複雑形状を成型するため、切削加工に比べて加工時間の大幅な短縮を実現します。また冷間鍛造であるため、加熱や冷却の時間も必要ありません。

工程の削減や短縮

鋳物や焼結にて複雑形状を成型する場合、切削加工等の仕上げ処理が必要になりますが板鍛造では切削加工を削減することが可能です。また鍛造加工であるため、バリやダレといったせん断加工特有の形状が発生しないため、切削加工などの後工程が不要となります。

三次元成型

板金加工では製品の板厚が材料に比べてあまり変化しないため、厚みのある製品の成型は対応できませんでした。しかし板鍛造では冷間鍛造のメリットを取り入れているため、増肉加工など製品の厚みも積極的に制御ができるため三次元の複雑な形状に対応することが可能です。

板鍛造の難しさ

このようにメリットの多い板鍛造ですが、技術が開発されてから様々な製品の成型に活用されるまでとても時間がかかりました。その要因について「金型」と「設備」の観点から説明させていただきます。

金型の重要性

板鍛造の構成要素である冷間鍛造加工では、常温で鍛造を行うので、高い鍛造圧力が必要となります。そのため、ワークの大きさに比して大きな成型圧力が必要となります。素材に圧縮荷重を加えることで材料の塑性流動を促すことから、この圧縮荷重に耐える金型構造が必要です。プレス加工時にワークが膨らみ外へ広がろうとする力に耐えられないと、金型が割れる事があり、ダイスにあらかじめ圧縮応力を加えた構造の金型設計を行うため、小さな製品でも比較的大きな金型となる事もあります。また、目的の形状を得る為に何度も鍛造を繰り返さなければなりませんが、目的の形状を得るために、ワークをどのような途中形状にするべきか、高度な技術と経験が必要となります。

設備の重要性

金型の重要性でも説明させていただきましたが、冷間鍛造は熱間鍛造に比べて高い鍛造圧力が必要となります。当社では冷間鍛造が可能な成型圧力が強い設備を多数保有しております。
【主な鍛造設備】
熱間鍛造:クランクプレス、スクリュープレス、アプセッター、ドロップハンマー
冷間鍛造:多段フォーマー、ヘッダー、ナックルジョイントプレス、油圧プレス

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当社の製品事例のご紹介

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板鍛造なら、当社にお任せください

今後、ますます要望が厳しくなる金属加工業界において板鍛造はコストダウン・軽量化を実現するとても重要な加工法となっていきます。金型設計・製作から2次加工、検査まで内製し、様々な要求に応えることのできる一貫製造体制を有する当社であれば、他社で断られてしまった加工も対応可能です。板鍛造なら当社にお任せください!

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