用語集

板鍛造・プレス加工に関する用語集

板鍛造・プレス加工技術.comが提供している板鍛造・プレス加工に関する用語について紹介しています。

あ行

  • アイドル

    プレス搬送におけるアイドルは、搬送システムにおいて動力を持たず、動くことのない部品や装置を指します。主にコンベヤーシステムにおいて、動力を持つドライブローラーやモーターがない箇所に設置されます。アイドルは、搬送される材料や製品の重量を支える役割を果たすだけでなく、搬送システム全体のバランスや安定性を保つために重要です。アイドルとドライブローラーが適切に配置されることで、材料の正確な運搬や位置のコントロールが実現され、生産ラインのスムーズな運転や効率的な製造が行われます。アイドルの選定や設置位置の最適化は、搬送システムの設計において重要な要素となります。

  • 穴広げ性

    穴広げ性とは、鋼板の伸びフランジ成形性を示す材料評価値です。穴広げ性は、打抜き穴を円錐状の工具で押し広げ、初期径に対してどこまで広げられるかを穴広げ率で数値評価することで測定されます。

  • エアーポケット

    カチオン塗装におけるエアーポケットは、塗装対象物の表面に塗料が均一に付着する際に生じる空気のたまり場所を指します。これは塗料が塗装対象物に密着せず、塗装表面に気泡や欠陥が生じる原因となります。エアーポケットが存在すると、塗膜の耐久性や外観品質が低下する可能性があります。エアーポケットを防ぐために、適切な塗装条件や塗装装置の設計、塗料の適切な粘度調整が必要です。また、表面の脱脂洗浄やプライマーの使用など、塗装対象物の表面処理も重要な要素です。定期的な塗料供給の確認や塗料の攪拌もエアーポケットの防止に役立ちます。

  • オーバーベンド

    オーバーベンドとは、材料を設計上の曲げ角度を超えて曲げるプレス加工技術です。この方法は、材料の元の形状に戻る性質を利用して特定の形状や機能を生み出すために行われます。適切な金型設計と加工条件の選択が重要であり、材料の特性や厚さ、曲げ角度に応じて適切なオーバーベンドの量や方法を選ぶ必要があります。

  • 応力解析

    応力解析は、物体や構造物の内部応力分布を予測する手法で、強度評価や設計改良に用いられます。対象を要素に分割し、応力を計算し、最大応力位置を特定します。静的解析(一定負荷下)や動的解析(振動など変動負荷)があり、CADデータと数学モデルを基に行われます。解析結果を活用し、設計最適化や材料選定が行われ、製品の安全性確保に貢献します。自動車、航空宇宙、建築、機械工学で広く応用されますが、正確な解析にはモデル設定、境界条件、材料特性の正確な入力と結果の解釈が必要です。

  • 圧縮
    圧縮とは、圧縮加工(鍛造加工)を指す言葉であり、プレス加工のうちの一つです。プレス機を用いて、 被加工材に熱を加えながら強い圧力によって圧縮することで変形させる手法です。 圧縮加工の中にも複数の方法があり、金属を削らず、叩いて伸ばしていく「スウェーキング」、 マーキングを行う「刻印加工」、硬化のような表裏で異なる模様を持った金属に加工する「コイニング」、 据え込み加工と呼ばれる棒状の材料を軸方向に圧縮成型させる「アプセッティング」などが 圧縮加工の主な種類です。 主に、自動車のエンジンやトランスミッションなどの機構部品などの成型に用いられています。
  • 板鍛造
    板鍛造とは、「板金加工」と「鍛造加工」を組み合わせた加工方法のことを言います。 板金加工では、素材と加工前の製品の板厚にあまり変化はありませんが、板鍛造加工は、その板金加工に鍛造要素を取り込むことで板厚の制御(増肉、減肉)を行います。 板鍛造のメリットとしては、加工工程の削減、歩留まりの改善が可能な点です。従来、板厚の調整のための切削工程が必要だったところ、板鍛造加工なら切削加工レスが実現可能となるためです。 一方、板鍛造は金型に大きな負担がかかるため、高精度な金型と高剛性のプレス機が必要となります。

か行

  • カシメ
    カシメ(英:Caulking)とは、金属の塑性変形を利用して複数の部品(特に板物)を接合する技術の一つです。漢字では「加締め」と書き、ハトメやリベットと呼ばれることもあります。アルミ等溶接に不向きな金属材料の接合も可能で、溶接よりも短い時間で加工できることから、特に精密板金で使用されることが多いです。 カシメは6種類あり、 ①板の片側からしか加工ができない場合に採用されるブラインドリベット ②リベットを押すことで強固に接合できるプレスカシメ ③回転しながらゆっくり加圧することで高精度部品のカシメを可能にするスピンカシメ(巻き締めカシメ)のほか ④ハゼ折りカシメ ⑤スポットカシメ ⑥コーナーカシメ があります。カシメに用いるのがカシメ機(リベッター)という機械で、原理は通常のプレス機と同様です。カシメは、橋梁や船舶、航空機といった重厚長大のものから、調理器具や衣類等の日用品まで幅広く使用されている接合技術です。
  • 荷重保持時間

    プレス加工において、荷重保持時間とは、金型によって加圧された材料を一定時間保持することを指します。この時間は、材料が必要な形状に十分に変形し、加工が完了するまでの時間を意味します。荷重保持時間の設定は、加工する材料の性質や厚さ、形状によって異なります。適切な荷重保持時間を設定することで、材料のスプリングバックを抑制したり、均一な形状を得ることが可能です。また、荷重保持時間が長すぎる場合は、生産性が低下することや過剰な成形による材料の損傷が起こる可能性があります。適切な荷重保持時間を見極めることが、高品質なプレス加工を実現する上で重要です。

  • 硬さ試験

    硬さ試験は、物質の表面硬度を測定する実験です。主に金属材料や合金などの硬さを評価するために用いられます。一般的な硬さ試験には、ロックウェル硬さ試験、ブリネル硬さ試験、ビッカーズ硬さ試験などがあります。試験では硬さの印象を残すために、特定の荷重を試験片に与えます。その後、形成された印象の大きさや深さを測定し、硬さ値を求めます。硬さ試験は材料の品質評価、品質管理、製品評価、研究開発などで広く利用され、材料の強さや耐久性を把握するための重要な手法です。

  • カチオン電着塗装

    カチオン電着塗装は、金属製品を保護するために使われる塗装技術です。カチオン性の塗料を水溶液に分散させ、金属製品を陽極(アノード)にして電着します。電流を流すことで塗料粒子が金属表面に吸着し、均一な塗膜を形成します。この塗膜は耐久性があり、耐薬品や耐腐食性に優れます。自動車部品や家電製品、建築材料など幅広い用途に利用され、均一な塗装を実現する一方で環境負荷を低減するためにも重要な塗装技術となっています。

  • カチオン電着塗装
    カチオン電着塗装(英:Cationic Electrodeposition Coating)とは、水溶性の塗料を溶かした槽に製品を浸漬させ、電気の力を使って塗膜を形成させる塗装の一種です。 特徴としては、 ①メッキに比べ、複雑形状であってもピンホールがなく均一で密着性の高い表面処理を施すことが可能である ②亜鉛ニッケルメッキや合金メッキに匹敵する優れた耐食性を持っているものの、それらに比べコストが安い という2点が挙げられます。その一方で、 ①電気を利用しているため、電気が届かない弱電部と強電部とで多少膜厚にばらつきが生じる ②耐候性が劣る というデメリットもあります。一般にカチオン電着塗装は水溶性塗料を使用するため、大気汚染の原因とされるVOC(揮発性有機化合物)の発生が少なく、環境にやさしい塗装方法として近年注目を集めています。
  • 感知センサー

    プレス搬送での「感知センサー」は、搬送物や搬送装置の動作や位置を検知するための装置です。例えば、材料の位置や形状を検知して正確な位置合わせを行ったり、搬送装置の動作を制御したりするのに使用されます。感知センサーにはさまざまな種類があります。光センサーや超音波センサーは非接触で検知が可能で、近接センサーや接触センサーは物体との接触を検知します。これらのセンサーは高い精度と応答性を持ち、プレス搬送システムの正確な制御と安全性の確保に重要な役割を果たします。感知センサーの適切な配置と選定が、生産ラインの効率と品質向上に寄与します。

  • 看板生産

    Toyotaの生産方式である”看板生産”は、生産現場の効率と品質管理を重視する手法です。Kanban(看板)システムは、部品と作業の進捗を可視化し、在庫を最小限に抑え、ジャストインタイム生産を可能にします。品質の継続的向上も重要で、問題が発生したらすぐに対処します。Toyotaのこのアプローチは他の産業にも広がり、効率向上、無駄削減、品質管理の強化に貢献しています。

  • 局部伸び

    プレス加工における「局部伸び」とは、薄板材料がプレス機のダイスや工具で成形される際に、特定の部分が他の部分よりも大きく伸びる現象を指します。この局部伸びは、薄板材料の厚みや材料特性によって生じ、成形プロセスにおいて制御が難しく、予測が困難なことがあります。局部伸びが発生すると、製品の寸法精度や品質に影響を及ぼすことがあるため、特に複雑な形状や小さなフランジなどで問題とされます。局部伸びを制御するためには、適切なダイスや工具の設計、材料の選定、加工条件の最適化などが必要です。また、局部伸びが発生しやすい部分には補強を行うなどの対策も一般的に取られます。

  • クランクプレス
    クランクプレス(英:Crank Press)とは、最も一般的に使用されているプレス機で、動力である弾み車の回転運動を往復運動に変換する機構に、偏心軸とコネクティングロッドを利用したものになります。スライドを駆動させる機構がクランク機構になっており、これでラムを上下させ加圧します。打ち抜き加工・曲げ加工・絞り加工・鍛造加工等ほとんどの塑性加工が可能である点が特徴です。特に自動車部品や電気・電子部品の量産で使用されることが多いです。似たようなプレス機に、リンクプレスとナックルプレスがあります。前者は、加工速度がやや劣るものの成型性や金型寿命の向上が期待でき、後者は、下死点において一時的に停止するナックル機構を備えていることから、スプリングバック対策が重要な場合に採用されるケースが多いです。
  • クリアランス
    ここでは、プレスの抜き加工のクリアランスについて解説いたします。 クリアランス(英:Clearance)とは、抜きパンチの刃先径とダイの刃先径の寸法差のことを指します。ダイクリアランスや抜きクリアランスと呼ばれることもあります。抜き加工において非常に重要な意味を持っており、その過大・過小により品質に大きな差が出るため、適正クリアランスで加工を行うことが大切です。一般には、せん断面が板厚の1/3~1/2程度で均一だと適正であると評価されます。クリアランスが過小の場合、①二次せん断によりヒゲ状のバリが発生しやすい、②抜き圧力が大きくパンチ・ダイの刃先に過重な負荷がかかるためチッピングが起こりやすいというデメリットがあります。他方、過大な場合は、バリやダレ、抜けゾリが大きくなるため製品精度が不安定になってしまいます。
  • 形状凍結

    形状凍結技術は、金属板材料をプレス加工中に一定の形状に固定する技術です。プレス加工の形状凍結とは、金属板などをプレス機械によって所定の形状に加工し、その形状を一定の状態で固定することを指します。加工中に形状を固定することで、加工後の製品が一貫した形状や寸法を持ち、精度の高い製品を量産できるようになります。これにより、製造過程での変形やゆがみを最小限に抑え、品質を確保することが可能となります。

  • 限界曲げ半径

    プレス加工における「限界曲げ半径」とは、薄板材料を曲げる際に、曲げ半径が材料の特性や厚さに応じて最小限の値を指します。小さすぎる限界曲げ半径は、割れやひずみを引き起こす可能性が高く、適切な曲げ形状を得ることが難しくなります。逆に、曲げ半径が大きすぎると、精度や形状に問題が生じることがあります。したがって、限界曲げ半径は材料の性質や加工条件を考慮して選定され、加工プロセスにおいて適切に管理される必要があります。

  • 高速搬送

    プレス搬送での「高速搬送」は、プレス加工において材料や成形品を迅速に運搬することを指します。高速搬送は生産性を向上させるために重要であり、プレス機やトランスファーシステム、ロボットなどの装置を高速かつ正確に制御することが求められます。高速搬送により、プレス加工のサイクルタイムが短縮され、生産ラインの効率が向上します。また、高速搬送は大量生産に適しており、同時に高品質の成形品を維持することができます。ただし、安全性や品質の確保に注意が必要であり、適切なセンサーや制御システムの導入が重要です。

  • 5S

    5Sは、日本の生産現場で広く実践されている効率化・整理術です。以下の5つのステップから構成されます:整理 (Seiri):不必要な物を取り除き、必要な物だけを残す。整頓 (Seiton):必要な物を効率的に配置し、整然と保つ。清掃 (Seiso):職場を清潔に保ち、汚れやゴミを除去する。清潔 (Seiketsu):整理整頓と清掃を定期的に実施し、常に清潔な職場を維持する。躾 (Shitsuke):5Sの徹底を継続し、習慣化させる。5Sの目的は、職場の効率を向上させ、品質を確保し、安全性を高めることです。整理整頓によりムダを減らし、作業効率を向上させることで、生産性や品質の向上が期待できます。また、清潔な環境にすることで安全性を高め、労働者のモチベーション向上にも寄与します。

  • コンデンサ式溶接機

    コンデンサ式溶接機(英:Condenser Welding Machine)とは、電気部品のコンデンサを利用してスポット溶接(抵抗溶接の一種)を行う溶接機です。コンデンサ式溶接の原理は、電極を通じてコンデンサに蓄電された大電流を瞬時に放出することで、母材に対して電気抵抗によるジュール熱を発生させることで接合するという方法です。特徴として、①溶接時間が短いことから薄板や小物部品の溶接に向いている、②一般には溶接が難しいとされるアルミや銅の溶接も無理なく可能である、③パルス幅が小さく母材への熱影響を最小限に抑えられるため綺麗に仕上げることができる(外観部品に向いている)、④融点の高い非鉄金属や異種金属の溶接も可能、といった点が挙げられます。

  • 加工硬化
    加工硬化とは、金属に応力(内部に生じる歪み)を加えることで硬さが増す現象であり、金属の塑性変形によって生じます。 また、金属の中でも、ステンレスを中心に加工硬化は顕著にみられます。 加工による金属硬化は、塑性変形の際に金属を構成する原子の配置が変化することで生じます。 格子状に並ぶ金属原子は、力を加えることで各原子の位置関係が変化しますが、ある程度の力であれば力を取り除くと元の原子配列に戻りますが、一定以上の力を加えると、原子の配列は乱れ(転移)、元の形状に戻らなくなります。 この転移の影響で金属の硬さが増す現象を加工硬化と呼びます。

さ行

  • サーボプレス
    サーボプレス(英:Servo Press)は、加圧部の動きをNCとサーボモータで制御することにより難加工材や複雑形状のプレスも得意とするプレスユニットです。一般的な油圧式のプレスは、加圧速度の調節や停止位置等の制御がやや難しい傾向にあります。例えば複雑な金型を用いてプレス加工を行う場合、加圧速度が一定だと、部位により圧力の差が生まれてしまうことで特定箇所が異常に加圧され、焼き付き不良を起こす可能性があります。従来は、その対策として加圧速度を落として慎重に加工していたことから、生産効率の低下を招いていました。しかし、サーボプレスは、加圧速度や圧力等を数値制御できるのに加え、サーボモータでラム(駆動部)の動きを制御できることから、マグネシウム等の難加工材や複雑形状であっても無理なくプレスすることが可能です。サーボプレスで複雑な金型のプレス加工を行う場合は、途中まで高速でパンチを駆動するものの、下死点直前で減速するようにコントロールします。これにより、材料歩留まりと生産効率の両立が可能になります。
  • サイクルタイム

    プレス搬送でのサイクルタイムは、一つの加工サイクルを完了するのにかかる時間を指します。これは、素材の供給から加工・搬送・排出までの全工程を含みます。効率的なプレス搬送では、サイクルタイムを短縮することが重要です。高速な素材供給や正確な位置決め、加工速度の最適化などがサイクルタイムの短縮に寄与します。サイクルタイムの短縮により、生産性が向上し、製造コストの削減や大量生産が可能となります。また、タイムロスの削減により生産ライン全体の効率が向上し、生産能力の拡大が可能となるでしょう。

  • 最大粗さ(Ry)

    最大粗さ Ry(Maximum Roughness)は、表面粗さを評価するための指標の一つです。Ryは、表面の凹凸のうち最も高い部分と最も低い部分の間の高さ差を表します。単位はμm(マイクロメートル)で表されます。Ry値は表面の不均一さや凹凸の大きさを示す指標であり、表面の荒さを評価する際に重要な情報となります。Raが表面全体の平均粗さを示すのに対し、Ryは最も高い部分と最も低い部分の局所的な高低差を表します。製品の品質管理や表面の仕上げにおいて、RaとRyを併用して表面の状態を評価することが一般的です。特に、表面の特定の部分の凹凸を確認したり、表面の耐久性や摩擦特性を評価する際にRy値が重要な役割を果たします。

  • 最大荷重発生点

    プレス加工において、最大荷重発生点とは、成形過程で材料に最大の圧力がかかる点のことを指します。この点では材料が最も強く圧縮され、加工に必要な最大の荷重が発生します。最大荷重発生点は、成形品の形状や厚さ、金型の設計、材料の性質などによって変化します。プレス加工の際には、最大荷重発生点が適切な位置に設定されることが重要であり、過度な荷重がかかることを防ぐために、適切な成形条件が必要です。最大荷重発生点の把握は、金型の設計やプレス加工の品質管理において重要な要素となります

  • 材料拘束

    プレス加工において材料拘束は、素材が加工機械の金型やフィクスチャにしっかりと固定されることを指します。適切な材料拘束を行うことで、加工中に素材がずれたりねじれたりするのを防ぎ、加工精度や品質を向上させることができます。材料拘束の方法としては、クランプやストッパーを使用した機械的な拘束や、真空吸着などの非接触での拘束があります。加工に適した拘束方法を選定し、適切に設定することで、プレス加工の効率向上や製品の一貫性を確保することができます。また、材料拘束による素材の安全性確保も重要なポイントです。

  • 三現主義

    三現主義(さんげんしゅぎ)とは、製造業などの品質管理の現場におけるものづくりで重要視されている考え方の一つです。この考え方では、まず第一に現場に実際に足を運び、現物を直接目で確認して、現実をしっかり踏まえてから物事を考え、問題を解決することが大切だとされています。つまり、オフィスの中やデスクの上で考えた理屈の上では正しいと思ったことは、実際の現場で起きていることと乖離があるため、問題の発見や解決をすることは難しいということです。 この考え方は、トヨタやホンダ自動車など多くの企業で重要視されており、品質管理や生産性向上に貢献しています。また、最近ではデジタル技術の進化により、遠隔地からも三現主義を実践する方法が模索されています。 三現主義はものづくりだけでなく、他の分野でも応用されており、その重要性は広く認識されています

  • 三次元搬送

    プレス搬送における三次元搬送は、プレス機や関連装置と連携して、板金や薄板材料などの加工素材を立体的に移動させる搬送方法を指します。これにより、プレス加工や製造工程において効率的な材料の供給や配置が可能になります

  • 算術平均粗さ(Ra)

    算術平均粗さ Ra(Roughness Average)は、表面粗さを評価するための一般的な指標の一つです。表面の凹凸を総和し、その平均値を求めたもので、単位はμm(マイクロメートル)で表されます。Raは、表面粗さ計を用いて測定されます。Ra値が小さいほど表面は滑らかで均一であり、加工精度が高いことを示します。一般的に、機械加工などの製造プロセスにおいて、目標とするRa値を設定し、その範囲内で表面を仕上げます。製品の品質管理や表面仕上げの指標として重要な数値であり、さまざまな産業分野で品質向上に役立てられます。

  • 重要保安部品

    クルマの基本性能である、走る、曲がる、止まるに支障をきたす装置および火災など、重大な事故に至る装置を構成する部品を重要保安部品と呼びます。これは法令などで定められたものではなく、クルマの品質管理上で呼ばれています。保安上重要な装置には、動力伝達装置、かじ取り装置、制動装置、緩衝装置、燃料装置などがあり、これらの装置を構成する部品のすべてまたは一部が重要保安部品に該当します。例えば、クルマを止める機能をもつ制動装置では、それを構成するブレーキペダル、マスターシリンダー、パイプとホース、ホイールシリンダー、パッドとライニング、ディスクとドラムなどすべてが該当します。

  • 十点平均粗さ(Rz)

    十点平均粗さ Rz(Ten-Point Mean Roughness)は、表面粗さの評価指標の一つで、特定の長さの評価区間における最高峰と最深溝の高さ差の平均値を示します。評価区間は10個の異なるポイントで選ばれ、高い5つの山と低い5つの谷の高さを計測して平均します。Rz値は表面の凹凸や起伏の大きさをより詳細に把握することができ、表面の荒さや加工精度を判定するのに有用です。一般的に、Rz値が大きいほど表面は粗く、Rz値が小さいほど表面は滑らかです。製造業や品質管理の分野でRz値は広く使用され、製品の品質向上や加工工程の改善に役立てられます。また、さまざまな規格に基づいて、製品の仕様や表面仕上げの要件を定める際にも活用されます。

  • ショックアブソーバー(ダンパー)
    ショックアブソーバー(英:Shock Absorber)とは、自動車のサスペンション機構の構成部品で、スプリングの余計な動きを抑制する役割を果たします。ダンパーや緩衝器と呼ばれることもあります。自動車が走行中に路面の凹凸から受ける衝撃やコーナリングの際の加重は、スプリング(バネ)に伝わり、スプリングが伸び縮みすることにより衝撃を吸収します。スプリングは一度衝撃を受けるとしばらく伸縮動作が続いてしまいますが、これを抑えるのが各輪1本ずつ装着されているショックアブソーバーです。スプリングの伸縮を抑える力を減衰力と言いますが、この減衰力の発生方式の違いによりショックアブソーバーは2種類に分けることができます。一つは単筒式のもので、故障しやすいものの構造が単純で放熱性に優れているためスポーツカーや競技用の車両に使用されます。もう一つは複筒式で、故障しにくく多くの大衆車に使用されています。
  • しわ押さえ力
    しわ押さえとは、板材成型においてダイと対向して板材の反対側に配置される工具を指します。 金型に使用される材料を抑え、材料の縮み、フランジ変形などの歪みにより発生するしわを抑えるために 使用されます。また、しわ押さえには2つの方法があります。 ①固定しわ押さえは、フラットタイプ・テーパタイプの2種類があり、フラットタイプの材料押さえ部分は 被加工材の板厚より大きめの隙間とする一方、テーパタイプは絞り進行に伴うフランジ淵の板厚増加をテーパ部で 吸収することで被加工材にかかる負荷を一定にすることが可能です。 ②可動しわ押さえは、しわ押さえ面を直接加工材に押し付けて行う方法です。 しわ押さえでの圧する力は弱すぎばしわが発生してしまい、強すぎるとわれが発生してしまいます。 しわ押さえ圧力はダイ、しわ押さえ面の面粗さ、潤滑油の状態などで変化するので、その時の状態に合わせて 圧力を調整することが必要です。
  • ステアリング
    ここでは、自動車のステアリング機構について解説いたします。 ステアリング(英:Steering)とは、乗り物の進行方向を任意に変えるための舵取り装置のことで、自動車においては通常ハンドル(ステアリングホイール)のことを指します。以前の自動車は、車輪が軽量であったため運転者の腕力だけで車輪の向きを変えていました。しかし現代の自動車は、車体の重量が増し操舵に大きな力が必要なことから、エンジンによる油圧や電動モーターでハンドリングを軽くするためのパワーステアリング(パワステ)を備えています。ステアリングは、厳密にはステアリングホイールと中心部のステアリングシャフトから成り、ステアリングホイールはグリップ部分のリムとハブ、そして両者を繋ぐスポークで構成されています。
  • スプリングバック
    スプリングバッグとは板金加工・プレス加工などで鋼材を曲げた際、元の形に戻ろうとする現象・力です。 鋼材を曲げた際に、外側は引っ張られる力が働き、内側は圧縮される力が働きます。 スプリングバッグの発生要因として、中央付近の引っ張り・圧縮の影響が小さいニュートラルエリアが元の 形に戻ろうとするためです。 また、大きな材料ほど、曲げる角度が急なほど、スプリングバッグは強くなっていきます。 対策として、設計通りに曲げるために、所定の曲げ角度より大きく曲げるオーバーベンドによって対応。 他にも、一回のストロークで二段階の曲げ加工を行う二段曲げ法、底部隅にストライキングと呼ばれる若干 の出っ張りを設け、スプリングバッグを防止する方法などがあります。
  • 成型荷重波形

    成型荷重(英:Forming Load)は、プレス成型機でワークを任意の形状に変形させるために必要な負荷のことを指します。翻って、プレス成型機または金型への負荷のことも成型荷重と呼ぶことがあります。

    成型荷重波形(英:Forming Load Waveform)は、プレス成型加工プロセスにおける成型荷重の変化を波形状に表した図になります。この波形監視データは、
    ・トライ時の成型荷重にもとづく量産設備の適切な選定
    ・量産時におけるプレス成型金型の二重打検知
    ・偏心荷重に依るパンチのカジリ
    ・加工中の過負荷監視
    等、プレス加工においてトライ~量産まで様々な段階・目的で利用することができます。

  • 成形荷重波形

    プレス加工において、成形荷重波形とは、加圧された材料の荷重が時間とともにどのように変化するかを表したグラフのことです。通常、成形荷重波形は圧力センサーなどを用いて計測され、グラフ化されます。成形荷重波形には、以下のような特徴があります。上昇期:金型が接触して圧力が上昇する期間。最大成形期:成形荷重が最大値に達する期間。下降期:成形が終了し、圧力が緩和する期間。成形荷重波形の特性は、材料の性質や厚さ、形状、金型の設計などによって影響を受けます。適切な成形荷重波形の把握は、プレス加工の品質管理やプロセス改善に役立ちます。

  • 製造品質

    製造品質とは、製品を製造する過程での品質を指します。製造品質の向上は、製品の機能、性能、寿命、耐久性、信頼性などの向上につながります。製造品質を確保するためには、適切な製造プロセスの管理、生産設備の適正な運用・メンテナンス、作業者の技術や品質意識の向上などが必要です。また、品質管理手法や品質検査を導入し、製品の品質を定期的に評価・改善することも重要です。製造品質の確保は、製品の競争力を高めるために不可欠な要素となります。

  • 精密打ち抜き加工

    精密打抜き加工は、金属板などの材料から特定の形状を高い精度で切り抜くプレス加工方法で、高寸法精度と形状一貫性が必要な産業で広く用いられます。専用金型とプレス機械を用い、材料をパンチングによって加工します。適切な加工条件と金型の精度が重要で、自動車産業、電子機器製造、医療機器などで小型部品の製造に適しています。

  • 設計品質

    設計品質とは、製品やサービスを計画・設計する段階での品質を指します。製品の機能、性能、寿命、信頼性、安全性、使いやすさなどが設計品質の重要な要素です。良い設計品質は、製品の競争力や顧客満足度を高めるだけでなく、製造やサービス提供における効率化やコスト削減にも貢献します。設計品質の向上には、顧客ニーズの明確化、適切な材料選定、技術の最新化、シミュレーションや試験の活用、デザイン改善などが重要な要素です。設計品質を高めることで、より競争力のある製品やサービスを提供することが可能となります。

  • 増肉加工

    増肉加工は、板厚よりもプレス加工後の板厚が厚くなるように、局所的に肉を他場所から流してくる、一体成形を実現する加工方法です。

     

    増肉加工のメリットは主に下記の通りです。

    ・複数工程の単工程化

    ・コストメリットの提供

    ・加工精度の向上

    ・金属強度の向上

    ・軽量化(アルミダイカストなど)

     

    金属が熱されて行う熱間鍛造でも行われる増肉加工ですが、冷間鍛造では常温のため、金属は硬く、成形には大きな圧力が必要となります。そのため肉流れが起きづらく、冷間鍛造における増肉加工は非常に難易度が高くなります。

     

    >>増肉加工のご紹介

     

    >>増肉バーリング加工とは?コストダウンや強度向上だけでなく、溶接レスで脱炭素社会にも貢献!

  • 増肉バーリング加工

    増肉加工は、板厚よりもプレス加工後の板厚が厚くなるように、局所的に肉を他場所から流してくる、一体成形を実現する加工方法です。

     

    増肉加工のメリットは主に下記の通りです。

     

    ・複数工程の単工程化

    ・コストメリットの提供

    ・加工精度の向上

    ・金属強度の向上

    ・軽量化(アルミダイカストなど)

     

    金属が熱されて行う熱間鍛造でも行われる増肉加工ですが、冷間鍛造では常温のため、金属は硬く、成形には大きな圧力が必要となります。そのため肉流れが起きづらく、冷間鍛造における増肉加工は非常に難易度が高くなります。

     

    >>増肉加工のご紹介

     

     

    バーリング加工とは、板金加工において穴をあけた際に穴の周囲にフランジをつけて高さをつける加工方法です。この板厚よりも穴周囲を高くすることで、本来はナットが必要な個所に対して板金自体にタップを施すことができ、部品点数レスと同時に工数レスを実現することができます。

     

    増肉バーリング加工とは?コストダウンや強度向上だけでなく、溶接レスで脱炭素社会にも貢献!

    このバーリング加工を、プレス加工で増肉加工によって実現した加工方法が、増肉バーリング加工です。そもそもの増肉加工自体も困難ですが、タップ加工ができるほど局所的に板厚を厚くして溶接ナット代わりにするのは、さらに難易度が高くなります。

     

    しかし当社では独自のプレス・鍛造金型の設計・製作技術により、この増肉バーリング加工を実現し、国内大手メーカーの設計エンジニアの方々からも注目を集めています。

     

    >>増肉バーリング加工とは?コストダウンや強度向上だけでなく、溶接レスで脱炭素社会にも貢献!

  • 反り
    ここでいう反りとは、パンチプレスによる打ち抜き加工の際に、被加工材が、打ち抜く方向とは逆方向に反り上がり平面度の変化が起こってしまうことを言います。 反りは、パンチが被加工材を打ち抜く際に、パンチを打ち抜くせん断力と同時に、曲げ応力が発生することにより起こります。 また、反りの大きさは、刃先の摩耗状態やクリアランスに大きさによっても左右されます。 反りは製品の品質に影響するため、打ち抜き加工を行う際は、反り対策を施す必要があります。 具体的な対策としては、以下のようなものがあります。 ・ダイにテーパ加工を施す ・強い力で板を抑えることで、曲げ応力を押え込む ・刃先の研磨を行い、鋭利な状態を保つ ・適正なクリアランスにする
  • 塑性加工
    塑性加工とは、金属材料に大きな力を加えて変形させ、成型する加工方法のことを言います。 塑性加工は、金属の性質である塑性(力を加えて変形させたのち、力を取り去っても変形したままになる)を利用した加工方法であることからその名前がついています。 塑性加工の種類には、以下のようなものがあります。 ・鍛造加工 ・圧延加工 ・プレス加工 ・押出し加工 ・転造加工 塑性加工の利点としては、 ・加工時間が短い ・材料歩留まりが良い という点が挙げられます。塑性加工では金型を利用することが多く、加工時間が短いことから大量生産に向いています。また、切削加工のように切粉が出ることがないため、材料歩留まりが良いという点も塑性加工の特徴です。 一方で、塑性加工には、 ・イニシャルコストが高い ・高い精度の製品には2次加工が必要 という側面もあります。
  • 精密プレス加工
    精密プレス加工とは、プレス加工の中でも精度の高い製品の加工を行うものを言います。 精密プレス加工により、精度の高い部品の大量生産が可能となり、精密部品加工の生産性が向上します。 精度の高い製品のプレス加工を行うには、精度の高い金型が必要不可欠です。 そのため、精密プレス加工には、精度の高い金型製造の技術、ノウハウが重要です。 精密プレスに使用される金型には、耐摩耗性が求められるため、硬度の高い材料が用いられます。 そこで、硬度の高い材料の精密加工技術を駆使して、金型を製作します。 放電加工や、研削加工などを用いて、精密な金型を製作することで、精密プレス加工が可能となります。
  • 絞り加工
    絞り加工とは、一枚の板材に、パンチを押し付け圧力をかけることで、凹状の容器を成型する加工方法を言います。 絞り加工は、製品になるまでに溶接や切削加工を必要としないため、工数の削減が可能で、大量生産に向いているという特徴があります。また、加工硬化が大きく、薄板でも硬度の高い製品が仕上がるため、軽量化にも寄与します。 絞り加工には、形状による種類として、以下のものがあります。 ・円筒絞り加工 ・角筒絞り加工 ・円錐絞り加工 ・角錐絞り加工 ・球頭絞り加工 他にも絞り深さの分類として深絞り加工などもあります。

た行

  • ダイ
    ここでは、プレス加工で使用されるダイについて解説いたします。 ダイ(英:Die)は、被加工材を目的の形状に塑性変形させるための型のことを指します。プレス加工や鍛造加工では雌型とも呼ばれ、パンチ(雄型)と組み合わせて使用します。プレス金型には、せん断加工のための「抜き型」、曲げ加工のための「曲げ型」、絞り加工のための「絞り型」等様々な用途のものがあります。プレス加工において品質の良い製品を製造するためには、パンチとダイの位置関係の精度が非常に重要になってきます。パンチがダイに押し付けられた際の隙間をクリアランスと呼びますが、このクリアランスが過大ですとダレやバリが大きくなってしまいます。逆にクリアランスが過小の場合も、金型への負担が大きくなり金型寿命が悪化してしまいます。したがって、金型設計の際にはクリアランスの適正値を充分に考慮する必要があります。
  • ダイクッション

    プレスにおける「ダイクッション(die cushion)」は、プレス機のストローク終了時に、ダイ(型)とスライド部の間に装置される油圧シリンダーやエアシリンダーなどの装置です。この装置により、金型への過度の衝撃を吸収し、加工品の歪みを防止します。ダイクッションは、圧延や押出しプレスなどの高い精度を要求するプレス加工でよく使用され、品質向上と金型の寿命を延ばす役割を果たします。

  • 脱脂洗浄

    カチオン塗装における脱脂洗浄は、塗料の付着性や耐久性を向上させるために重要な工程です。脱脂洗浄は通常、以下のような手順で行われます。まず、塗装する対象の表面から油や脂肪、ほこり、汚れなどの不純物を除去するために洗浄剤を用いて洗浄します。これにより、塗料が表面にしっかりと密着できるようになります。次に、カチオン塗装に特化した脱脂洗浄剤を用いて、表面から静電気に反応する汚染物質を効果的に取り除きます。これにより、塗料の付着性が向上し、塗膜の均一性が確保されます。

  • ダブルクランクプレス
    ダブルクランクプレス(英:Double Crank Press)とは、2つのクランク機構を備えたクランクプレスです。 クランクプレスとは、最も汎用的に使用されているプレス機で、動力である弾み車の回転運動を往復運動に変換する機構に、偏心軸とコネクティングロッドを利用したものになります。クランクプレスは、クランク機構の数から①シングルクランクプレスと②ダブルクランクプレスとに分けられます。両者の最大の違いは、②の方が偏心荷重の許容範囲が広く、精密部品の順送プレス加工に向いているという点にあります。偏心荷重とは、プレス機スライドの中心と金型の荷重中心がずれている状態を指します。①の場合、ボルスタプレートとスライドの平行が崩れ金型寿命を短くしてしまうことがあります。そのため、金型の取り付けた方の工夫や性能の高いプレス機を選定する必要があります。
  • ダレ(抜きダレ)
    ここでは、プレス加工におけるダレもしくは抜きダレについて解説いたします。 ダレ(英:Shear Droop)は、プレス加工機でせん断加工をした場合に、切断面に発生する引張力で被加工材が引っ張られることで表面が滑らかなR形状になる現象を指します。抜きダレと呼ばれることもあります。ダレの大きさや形状は、パンチとダイのクリアランスや被加工材の材質や加圧速度によって変化します。 せん断加工の切断面は、上から①ダレ、②せん断面、③破断面、④バリという4層構造になります。せん断面は、被加工材にパンチがめり込むことによってできる光沢がある面で、細かい縦筋が確認できます。破断面(クラック)は、せん断面に比べ粗い表面で、被加工材をむしり取ったような外観をしています。最下層のバリ(かえり)は、ギザギザ形状になっており基本的には後工程でバリ処理が必要になります。
  • タンデムプレス
    タンデムプレス(英:Tandem Press)とは、プレス機1台に1つの金型をセットし、そのプレス機を複数台並べた製造ラインのことで、広く使用されているプレスラインです。 単にタンデム、略称としてTDMと呼ばれることもあります。それぞれのプレス間には成型途中のシート材の取り出し及び投入をする搬送装置があり(手作業でやる場合もあります)、成型と搬送を流れ作業的に行います。 搬送装置としては、汎用ロボットや専用のプレス間搬送装置、ガントリーローダー等が利用されています。 タンデムプレスは、順送プレスやトランスファープレスが適用できないような少量多品種や大物の加工で活躍します。自動化ラインではあるものの、実質的には単工程加工を並べただけで型や設備にトランスファー機構を持たないことから、加工工程の少ない単純形状や小ロット生産に向いています。トランスファープレスほどの生産性はありませんが、型や配置を変えるといったフレキシブルな調整が可能です。
  • 縮みフランジ

    プレス加工における縮みフランジとは、プレス加工で薄板材料を成形する方法で、部品のフランジ部分を収縮させます。これにより、製品の組み立てや密封が改善され、部品同士の干渉を防ぎ、隙間を調整できます。縮みフランジは円形や長方形のフランジを持つ部品に使用され、製品設計や製造に便利です。

  • 低速搬送

    プレス搬送での「低速搬送」は、プレス加工において材料や成形品を比較的遅いスピードで運搬することを指します。低速搬送は精密な位置合わせやデリケートな加工が必要な場合に使用されます。特に高品質な成形品の製造や特殊な形状の材料を取り扱う際に重要です。低速搬送は安全性を確保し、プレス機やトランスファーシステムの動作を正確に制御することが可能となります。また、低速搬送は生産ラインの安定性を高め、品質管理にも寄与します。ただし、生産性を向上させるためには適切なスケジュールや効率的なプレス作業の組み合わせが必要です。

  • 適合の品質

    適合の品質とは、製品やサービスが顧客の要求や期待に適合していることを意味します。顧客のニーズや要件を満たし、品質基準や規格に合致していることが重要です。適合の品質を確保するためには、顧客とのコミュニケーションを大切にし、要求仕様を明確に把握することが必要です。また、品質計画や品質管理の徹底、製品の検査・評価、品質改善活動などが重要な手段です。適合の品質を実現することで、顧客満足度を向上させ、競争力を高めることができます。

  • 電磁マグネット

    プレス搬送での「電磁マグネット」は、電流が流れることによって磁力を発生する装置です。トランスファーシステムやロボットアームに取り付けられ、金属製の材料や成形品を持ち上げたり運搬したりするのに使用されます。電磁マグネットはオン/オフを切り替えることで磁力を制御でき、搬送物の保持や放出が可能となります。非常に強力な磁力を持つため、重い材料や成形品を効率的かつ安全に取り扱うことができます。また、磁力が電流の供給によって制御されるため、電力を適切に制御することで搬送物の操作を正確に行うことができます。電磁マグネットはプレス搬送システムにおいて重要なツールとして広く利用されています。

  • 特性要因図

    特性要因図(または魚の骨図、魚の目図とも呼ばれる)は、問題解決や品質改善に用いられる手法の一つです。問題の原因を探求し、問題の特性(結果)とその原因(要因)の関係を視覚的に表現します。問題を「魚の頭」として図示し、その原因を「魚の骨」のように枝分かれさせて示します。これにより、問題の本質的な原因を探り、根本的な改善策を立案するためのヒントを得ることができます。特性要因図はチームでの議論を促進し、問題解決の効果を高めるのに役立ちます。

  • トランスファープレス
    トランスファープレス(英:Transfer Press)とは、プレス加工の中では順送プレスに次いで生産性が高いプレスラインです。略称として、TRFと呼ぶこともあります。 順送プレスに比べ製品形状の自由度が高く、深絞りのプレス加工にも向いています。複数の工程を繋げて加工する点は順送プレス加工と同様ですが、各工程は単工程で、プレスの1サイクルが終わると全工程の製品をグリップして一つ後の工程へ自動で移動させます。このため、各工程ごとに製品を送るための専用の搬送機構が搭載されています。製品送り用のフィンガーがついており、これが全工程の製品を同時につかんで、次の工程へ製品を移します。 トランスファープレス用金型を設計する際は、金型を一定ピッチで配置し、かつ金型のダイハイトを統一しなければいけないため注意が必要です。また、前後の荷重バランスを上手く取りながら加工する必要があり、金型設計・製作には高い技術力が求められます。
  • トリム加工

    「トリム加工」は、プレス加工で加工品から余分な材料やフラッシュを取り除く作業で、最終形状を整えるために行われます。絞り加工を行った後に不要となる縁部を切断する加工をトリム加工もしくはトリミング加工と呼びます。トリム加工には、ピンチトリミング法、フラッシュトリミング法、ワイプダウントリミング法、トリムフランジ法などの方法があります。正確で効率的なトリム加工によって、加工品の品質向上と寸法精度の向上に貢献します。

  • 単発プレス加工
    単発プレス加工とは、一つの金型で単一の工程のプレス加工を行う単発金型を用いた加工のことを言います。 単発金型を順送金型(一つの金型で複数工程のプレス加工可能)を比較した際の特徴は以下になります。 ・製造コストが低い ・サイズの大きな製品のプレス加工が可能 単発金型は順送金型に比べ製造コストを低く抑えることが可能なため、試作や少量生産に用いられることが多いです。 また、単発プレス加工は、順送プレス加工では対応しきれない大きなサイズのプレス加工も可能です。 大きいサイズで複数工程を必要とする製品の大量生産を行おうとすると、単発プレス機を複数用いて対応することになります。 ただし、順送プレスと違い、各工程で材料を機械から取り出す必要があるので、人手が必要となり生産性が低くなってしまいます。 そこで、各工程の材料の入れ替えをロボットが行うこと(ラインペーサープレス)で省人化、無人化を図るなど生産性を向上させる工夫がなされています。
  • 超ハイテン材
    超ハイテン材とは、引っ張り強度が980MPa以上の鋼板のことを言います。 一般的に、引っ張り強度が340〜790MPaとされる高張力鋼板(ハイテン材)より引っ張り強度が高い鋼板として開発されました。 ハイテン材同様に、自動車の部品に使用され、車体の軽量化に寄与し、燃費向上に大きな役割を果たしています。 しかし、超ハイテン材は、その強度と相反する形で成型できる形状には制約があり、複雑な形状の部品には高度な成型技術が必要となります。 そのため、加工しやすい超ハイテン材の開発や超ハイテン材の加工技術の開発が進められています。
  • 鍛造プレス
    鍛造プレスとは、プレス機の中でも、主に冷間鍛造を行うための機械のことを言います。 冷間鍛造は常温近く厚い金属の成型をする必要があるため、鍛造プレスには、高い機械強度が求められます。 鍛造プレスは、ラムをスライドさせ、ラムに取り付けられた金型を材料に強い力で押し付けることで成型します。 そのラムのスライドの仕組みによって、鍛造プレスには以下の種類があります。 ・機械鍛造プレス:フライホイールの回転運動でラムをスライド →加工スピードが速く、生産性が高い ・油圧鍛造プレス:油圧でラムをスライド →油圧の調整で任意の位置でラムを止めることができるため、試作に向く ・鍛造サーボプレス:サーボモータでラムをスライド →加圧力、加圧量の精密な調整が可能 鍛造では、金型を押し付ける時間が長いほど、安定した成型が可能になるため、それぞれの鍛造プレス機では、金型の加圧時間が長くなるように調整されています。
  • 電着塗装
    電着塗装とは、水溶性の塗料が入った槽に被塗物を浸漬させ、被塗物を電極として電気を流すことで塗装を行うことです。 電着塗装は自動車のボディーの下塗りなどに用いられる塗装方法です。 電着塗装は、導電部分には均一に反応が起こるため膜厚が均一に仕上がり、使用塗料の95%以上を塗膜化でき効率的な塗装方法です。 しかし、設備が大型化しやすく、設備コストがかかってしまい、不導体には塗装ができないという短所もあります。 そのため、導体で大量生産に向いた塗装方法だと言えます。 電着塗装には、カチオン電着塗装とアニオン電着塗装があります。 両者の違いは、電極に違いがあります。カチオン電着塗装では、被塗物を陰極として用い、アニオン電着塗装では、被塗物を陽極として用います。 自動車の下塗りにはカチオン電着塗装が用いられています。 カチオン電着塗装には、防食性が高いという利点があります。

な行

  • 内部クラック

    プレス加工の内部クラックは、金属板や薄板などをプレス機で成形する際に、材料の内部に発生するクラックのことを指します。内部クラックは通常、加工時の応力集中や金属の変形によって生じます。内部クラックが発生すると、製品の品質が低下し、強度や耐久性に問題を引き起こす可能性があります。内部クラックを防止するためには、適切な材料の選定やプレス機の設定、ダイの形状などが重要です。また、材料の予熱や適切な冷却など、加工時の温度管理も内部クラックの抑制に役立ちます。熟練した技術者による適切な操作と品質管理が内部クラックの防止につながります。

  • ナックルプレス
    ナックルプレス(英:Knuckle Joint Press)とは、最も汎用的なプレス加工機であるクランクプレスより押さえ時間が長いという特徴を持つプレス加工機です。 クランクプレスは、動力である弾み車の回転運動を往復運動に変換する機構に、偏心軸とコネクティングロッドを利用したもので、下死点に達するとスライドがすぐに戻ります。ただ、プレス加工では下死点で押さえ時間をやや長くもつと形状安定性が増すという特性があります。これを利用したのがナックルプレスで、下死点直前で加圧速度を緩め、押さえ時間を長くしています。これにより、潰しを含んだ加工やスプリングバック対策が可能になります。ストローク長さが短い、クリアランスが大きくなりやすいという欠点もあります。
  • ニアネットシェイプ

    「ニアネットシェイプ」はプレス加工技術で、最終形状に近づけ、後処理を最小限に抑えます。余剰材料の削減と加工工程の削減により、材料の節約と製品の効率向上に貢献。精密なプレス加工と適切な金型設計、材料の流れと応力分布の制御、性質と成形条件の最適化が必要。自動車や航空宇宙などで広く利用され、複雑な形状や高精度の部品製造に適しています。効率的な製造と高品質製品を実現する重要技術です。

  • 二次元搬送

    プレス搬送における二次元搬送は、平面上で材料を前後左右に移動させる搬送方法を指します。これは、プレス機や関連装置と連携して、板金や薄板材料などの加工素材を効率的に供給・配置するために用いられます。

  • 2次せん断

    プレス加工における「2次せん断」とは、材料がプレス機械でせん断される際に生じる現象であり、加工品の形状や材料の特性に影響されます。2次せん断は、材料の伸びや破壊の要因となります。この現象を軽減するためには、適切な金型設計と加工条件の設定が不可欠であり、材料の特性や厚さに応じてプレス機械の適切な設定と金型の形状を選択する必要があります。

  • 2枚検知センサー

    2枚検知センサーは、機械や装置において2枚の物体や部品を検知するためのセンサーです。一般的には、2枚の物体がセンサーの検知範囲に入った場合に出力信号を発生させます。このセンサーは、製造業や自動化された生産ラインなどで多く使用されます。例えば、2枚の部品が正確に位置しているかを確認して加工や組み立て作業を制御する際に利用されます。また、2枚の金属板材料の同時検知にも用いられます。センサーの種類としては、光センサーや超音波センサー、キャパシティセンサーなどがあり、用途に応じて適切なセンサーが選ばれます。

  • ネットシェイプ

    プレス加工でのネットシェイプは、薄板材料を用いて複雑な形状の部品を生産するための加工技術です。従来のプレス加工では、固定された金型を使って一度に一つの部品を成形するのに対し、ネットシェイプでは複数の切削機とロボットを組み合わせて、連続的に複数の部品を切り出すことが可能です。これにより生産性が向上し、無駄な余剰部材を最小限に抑えることができます。ネットシェイプは特に自動車産業や電子機器産業などで広く活用されています。

  • ねらいの品質

    ねらいの品質とは、製品やサービスの設計・製造・提供などの段階で設定した目標となる品質のことを指します。つまり、あらかじめ定めた品質基準に達成することを目指すものです。顧客の要求やニーズ、法規制などに応じて、ねらいの品質は異なります。品質計画や品質目標の策定、品質管理手法の導入、検査や評価の実施などによって、ねらいの品質を達成し、製品やサービスの信頼性や満足度を向上させることが重要です。また、ねらいの品質を実現するためには、組織全体での品質意識や取り組みが必要となります。

  • 伸びフランジ

    プレス加工における伸びフランジは、薄板材料をプレス機と金型を使用して成形する際に、部品の特定の領域でフランジ部分を伸ばす加工方法です。これにより、耐久性と耐荷重性が向上し、自動車ボディパネルや家電筐体などの構造部品で広く使用されます。フランジの形状と伸びを調整することで、製品の性能と外観を最適化できます。プレス加工の生産性と精度を組み合わせた効果的な成形手法です。

  • 抜き加工
    抜き加工とは、一般的に、プレスにより薄い金属の板材を打ち抜く加工のことを言い、せん断加工とも呼ばれます。 抜き加工を広義でとらえた場合、レーザーやワイヤーカットなどによるせん断も抜き加工ということもあります。ここでは、プレスによる抜き加工の用語を解説いたします。 抜き加工は、プレス加工機やタレットパンチプレス機を用いて加工が行われます。 抜き加工の種類は5つあります。 ・打ち抜き加工:板材から製品となる部分を打ち抜く ・穴抜き加工:板材から不要な部分を打ち抜く ・切り込み加工:一部はつながったままで、板材に切り込みを入れる ・半抜き加工:穴抜きの途中で止めることで、凸形状を作り出す ・縁切り加工:縁を切り抜き形状を整える 抜き加工は、スクラップが少なく歩留まりが高い上、安定した精度で量産加工ができるという特徴がございます。

は行

  • ハイテン鋼板(高張力鋼)
    ハイテン鋼板(英:High-tensile Steel Plate)とは、普通鋼よりも軽量で、引張強度・溶接性に優れた鋼材になります。 ハイテン鋼は定義が決まっており、日本では引張強度が340MPa~790MPaの鋼材です。なお、980MPaを越えると超高張力鋼と呼ばれます。JIS規格としては、JISG3106(溶接構造用圧延鋼板)にあたります。ハイテン鋼板には、①薄肉化が可能②耐食性が高いという2つの特徴があります。ハイテン鋼板は、一般鋼材に比べ高い強度を備えているため、板厚を薄くし軽量化を図ることも可能です。昨今では、特にEVの普及により部品の軽量化が叫ばれている自動車業界で注目を集めています。さらに耐食性が高いことから、プラント設備や河川の鋼構造物の材料としてしばしば使用されています。
  • バキュームカップ

    プレス搬送における「バキュームカップ(vacuum cup)」は、吸盤の一種で、真空を利用して材料を持ち上げるための装置です。プレス加工ラインにおいて、シートメタルやプラスチック製品など薄い材料を確実に固定・運搬するのに使用されます。バキュームカップはプレス機やロボットのエンドエフェクタに取り付けられ、材料の表面に吸着して保持します。真空をかけることでカップが密着し、材料の持ち上げ・運搬が可能となります。バキュームカップは自動化に適しており、生産性向上と生産ラインの安定性に貢献します。異なる形状やサイズの材料に対応するために、さまざまなバリエーションが存在します。

  • バリ(抜きバリ)
    ここでは、プレス加工におけるバリもしくは抜きバリについて解説いたします。 バリ(英:Burr)は、プレス加工機でせん断加工をした場合に、ギザギザ形状が生じる現象のことを指します。かえりや抜きバリと呼ぶこともあります。バリの大きさや形状は、パンチとダイのクリアランスや被加工材の材質・加圧速度によって変化します。 せん断加工の切断面は、上から①ダレ、②せん断面、③破断面、④バリという4層構造になります。ダレは、切断面に発生する引張力で被加工材が引っ張られることで表面が滑らかなR形状になったものです。せん断面は、被加工材にパンチがめり込むことによってできる光沢がある面で、細かい縦筋が確認できます。破断面は、せん断面に比べ粗い表面で、被加工材をむしり取ったような外観をしています。 切断面は、せん断面が板厚の1/3~1/2程度、かつ均一になることが理想です。ダイとパンチの隙間であるクリアランスが過大だと大きなバリが発生しやすく、逆に過小であっても二次せん断面ができヒゲ状のバリが生じます。バリは相手部品との嵌め合い精度や品質・安全性に影響を与えるので、プレス加工後にバリ取り工程が必要になります。
  • 張り出し成形

    張り出し成形は、薄板材料をプレス機のダイスや工具を使用して特定の形状の張り出し部分を作るプレス加工方法です。自動車のエンブレムや家電製品のデコレーションなど、外観や機能の向上に広く使われています。この方法は高精度かつ効率的で、大量生産に適しています。ダイス形状の変更により柔軟な設計変更も可能です。

  • パレート図

    パレート図は、原因の優先順位を明確にするためのグラフです。問題の原因や要因を頻度や重要度の高い順に並べ、棒グラフで表示します。左から順に棒の高さが低くなるため、重要な原因が一目で分かります。これにより、問題解決や改善活動において、効果的な施策の優先順位をつけることができます。パレートの法則とも関連し、少数の原因が全体の問題の大部分を占めるという法則を反映しています。ビジネス分野や品質改善、生産管理などで広く活用される有用なツールです。

  • パンチ
    ここでは、プレス加工で使用されるパンチについて解説いたします。 パンチ(英:Punch)は、被加工材を目的の形状に塑性変形させるための型のことを指します。プレス加工や鍛造加工では雄型とも呼ばれ、ダイ(雌型)と組み合わせて使用します。プレス金型には、せん断加工のための「抜き型」、曲げ加工のための「曲げ型」、絞り加工のための「絞り型」等様々な用途のものがあります。プレス加工において品質の良い製品を製造するためには、パンチとダイの位置関係の精度が非常に重要になってきます。パンチがダイに押し付けられた際の隙間をクリアランスと呼びますが、このクリアランスが過大だとダレやバリが大きくなってしまいます。逆にクリアランスが過小の場合も、金型への負担が大きくなり金型寿命が短くなってしまいます。したがって、金型設計の際にはクリアランスの適正値を充分に考慮する必要があります。
  • ビッカース硬さ

    ビッカース硬さ(英: Vickers hardness、記号:HV)は、金属やセラミックなどの硬い材料の表面硬度を測定するための試験方法です。ビッカース硬さ試験では、菱形のダイヤモンドインジェクタを試験片の表面に一定荷重で押し付け、一定時間保持します。その後、プローブが形成した菱形のインジェクションの対角線長を測定して硬さを求めます。ビッカース硬さは微小な印象を作成するため、細かい材料の硬さ測定に適しています。この試験は研究や品質管理に利用され、異なる材料の硬さを比較したり、硬さの変化を調査したりするのに役立ちます。

  • 引張り

    プレス加工における引張りは、素材を引っ張って伸ばす力をかけることを指します。これにより素材の長さが伸び、幅が狭くなります。引張り加工は、板金や金属の成形、プレス加工においてよく行われます。引張りによって素材の形状を変え、欲しい形に成形することができます。ただし、引張り加工は素材の強度や硬さに影響を及ぼすため、適切な設計と加工条件が必要です。また、引張りによって発生する応力に注意し、割れや変形を防ぐ対策が必要です。

  • 表面粗さ

    表面粗さとは、物体の表面の粗さやざらつきの度合いを表す指標です。一般的には、微小な凹凸や波形の高さ差を測定します。表面粗さは、工業製品や部品の品質を評価するために重要な要素であり、摩擦、密着、光沢などの特性に影響を与えます。表面粗さを測定するためには、表面粗さ計や表面輪郭計などの測定器具を使用します。加工工程や製品の設計において、適切な表面粗さを確保することは、製品の性能や寿命を向上させるために重要な要素となります。

  • フィードバー

    プレス搬送でのフィードバーは、プレス機や関連装置と連動して、材料を正確な位置に供給するための装置です。フィードバーはコンベヤーシステムやロボットアームに取り付けられ、材料の送り出しや位置調整を行います。フィードバーは、センサーによって材料の位置を検知し、制御装置にフィードバック情報を送ります。制御装置はこれに基づいて搬送速度や位置を調整し、正確なタイミングで材料を供給します。これにより、プレス機の動作と連動して材料の供給がスムーズに行われ、生産ラインの効率が向上します。フィードバーは高精度な動作を要求される場面で重要な役割を果たします。

  • フィードバー

    トランスファープレスにおける「フィードバー」とは、部品や材料をプレス機械の工程間で正確に移送するための装置です。フィードバーは、部品の連続的な供給と正確な位置決めを実現する役割を果たします。

  • フィンガー

    プレス搬送での「フィンガー(Finger)」は、トランスファーシステムやフィーダーなどの搬送装置に取り付けられた細長い突起部分を指します。フィンガーは、金属製の材料や成形品を支えたり位置合わせしたりするために使用されます。フィンガーは複数本並べて搬送物を安定させることで、加工品の垂直な運搬や形状に合わせた搬送を行うことができます。また、フィンガーは長さや形状を調整することで、さまざまなサイズや形状の材料に適応できます。フィンガーはプレス搬送において重要な部品であり、精密な位置合わせや正確な搬送を実現するために広く使用されています。

  • ブランク加工
    ブランク加工(英:Blanking)とは、板材を型を用いて抜き落とし、輪郭形状を作る加工方法です。外形抜き加工もしくはブランキングと呼ぶこともあります。 ブランク加工では、ブランクを作るために材料は少し大きいものを用意します。その差分を「さん」と呼ぶことが多いですが、この「さん」があまりに小さいと、パンチ・ダイの摩耗が早まり、バリの発生が懸念されます。 ブランク加工におけるブランク配列のことをブランクレイアウト(板取り)と呼ぶことがあります。ブランクレイアウトの工夫により、材料歩留まりを改善することができます。
  • プレス下死点

    「プレス下死点」とは、プレス機械におけるストローク運動の最下点を指します。この位置では、プレス機械の動きが停止し、材料と金型の間に高い圧力がかかります。この圧力によって材料が加工され、部品の形成や切断が行われます。プレス下死点の正確な設定と制御は、加工品の品質、寸法精度、安全性に直接影響を与えます。プレス下死点の位置と速度は、加工品の要件や金型の設計に応じて調整され、最適な加工条件を確保し、高品質な製品を製造するために欠かせない要素です。

  • プレス加工
    プレス加工(英:Press Working)とは、鍛造や製缶板金と同じ塑性加工の一つです。プレス加工の特徴は3つあります。1つ目は、金型製作と量産ライン立上げにより月間数千~数十万の量産が可能という点です。初期費用として金型製作代・製作期間がかかるものの、非常に高い生産効率で小物・薄物でも量産することができます。2つ目は、切削加工と異なり材料歩留まりが高い点です。塑性加工全般に言えることですが、機械加工のように切り粉(スクラップ)が出るわけではないので、材料代を抑えることができます。3つ目は、形状自由度が低いという点です。金型を利用した塑性加工という特性上、材質や寸法、公差によっては希望の形状を実現できない可能性があります。 プレス加工は加工方法により分類することができ、①せん断加工②抜き加工③曲げ加工④絞り加工という4つが主に代表的です。さらに、プレスラインでも分類することができます。1つ目は、多品種少量の部品に関して作業者が手作業で被加工材をセットし、一工程ずつプレスしていく「単発プレス」。2つ目は、コイル状の被加工材をセットし、複数のプレス工程を順送りで行う「プログレッシブプレス」で、最も生産性が高いラインになります。3つ目は、単発プレスと順送プレスの長所を取り入れて自動での連続加工を可能にした「トランスファープレス」です。
  • プログレッシブ加工(順送プレス加工)
    プログレッシブ加工(英:Progressive Processing)とは、一つの金型の中に複数の工程を等ピッチに配置するプレスユニットの一種です。順送プレスや略称としてプログレ、PRGと呼ばれることもあります。 プログレッシブ加工では、加工自体は一工程であるため、一度プレスをしたらコイル材を工程間ピッチ長さで少し送り、再度プレス、同様にまたコイル材だけを順送りしていくことで製品を加工することができるというものになります。 複数の工程を経るプレスラインですが、実際はブランク材を一定速度で進めていけばよいだけの加工なので、専用自動ラインを除くと加工速度は最も早く生産性も非常に高いものになります。 ただし、複数工程が同一金型内に等ピッチで配置されているため、金型が複雑かつ高価になってしまうというデメリットがあります。
  • 深絞り加工
    深絞り加工とは、絞り加工の中でも、製品の直径以上に深い絞りを形成するための加工を言います。 プレス加工の中でも絞り加工は、設計が甘いと割れやしわが発生してしまうことがあるなどの理由から、難易度の高い加工と言われますが、深絞り加工はさらに難易度が高いです。 そのため、精度の高い深絞り加工を行うには、金型設計などの高い技術が必要となります。 深絞り加工は、難しさがある一方で、大量生産品に適していたり、加工硬化が大きく、薄板でも硬度が高い製品が仕上がるため軽量化に繋がるなどの特徴があります。

ま行

  • 巻き込み曲げ

    プレス加工における巻き込み曲げは、素材をプレス機械で曲げる際に、端部や角に巻き込まれる現象を指します。巻き込み曲げが発生すると、素材の端部が曲がったり、ねじれたりしてしまい、形状の精度や品質が低下することがあります。巻き込み曲げを防ぐためには、適切な曲げ金型の設計や素材の配置、加工条件の調整が重要です。また、素材の厚さや硬さ、曲げ角度などによっても巻き込み曲げの発生が影響を受けるため、これらの要因を考慮して適切な対策を行うことが必要です。加工の品質向上と安全性確保のためには、巻き込み曲げを予防する工夫が欠かせない重要な要素となります。

  • ムシレ

    「製品ムシレ」とは、プレス加工時に材料の伸縮や金型との接触によって生じる表面の歪みや凹凸を指します。対策として、適切な金型と工具の選定、加工条件の最適化、材料選択と補強、ダイクッションやサポート材の使用、金型改善、専用工具の導入などが挙げられます。これらの対策と工夫により、製品ムシレを最小限に抑え、高品質な加工品を実現します。

や行

  • 油圧鍛造プレス
    油圧鍛造プレスは、ラムを油圧によってスライドさせる鍛造プレスのことを言います。 鍛造加工を行うプレス機では、ラム(スライド)に金型が取り付けられ、ラムと金型が往復運動することにより、材料に金型を押し付け成型していきます。 油圧鍛造プレスは、油圧バルブのコントロールにより、ストロークの長さや加工速度、加圧力を自由に変更可能なため、試作や材料の変形試験にも使うことができます。 一方、油圧鍛造プレスは加工速度(1~10mm/s)が遅いという短所もあります。

ら行

  • ラインペーサープレス
    ラインペーサープレスとは、ロボットラインとも呼ばれ、各工程で独立した複数のプレス機間をロボットが搬送し、ライン加工を行うことを言います。 ラインペーサープレスはいわゆる単発型プレス機を並べたものになります。 単発金型は、順送金型と比較して、製造コストが低く、順送金型では対応できない大きなサイズでも加工可能な一方で、複数工程が必要な場合は人手が必要です。 しかし、ラインペーサーは、ロボットが単発型プレス機間の搬送を行うため人手が必要ありません。 そのため、大きなサイズの製品を加工する必要がある場合には、ラインペーサープレスによって、低コストで生産性高く加工を行うことが可能になります。
  • リミットスイッチ

    プレス搬送での「リミットスイッチ」は、搬送装置やトランスファーロボットの動作範囲を制限するための装置です。リミットスイッチは、機械が特定の位置に達したときに自動的に作動し、動作の停止や逆方向への動作を防止します。これにより、搬送装置が過剰なストロークを行わず、加工品の位置合わせや運搬が正確に行われます。リミットスイッチはセンサーによって物理的な制御が行われることが一般的で、プレス搬送システムの安全性と信頼性を向上させます。適切なリミットスイッチの設置と調整が重要であり、加工品の品質と生産ラインの安全性を確保するために不可欠な装置です。

  • リミット棒

    プレス搬送での「リミット棒(Limit Bar)」は、搬送装置やトランスファーロボットの動作範囲を制限するために使用される棒状の部品です。リミット棒は機械の動作や位置を制御するために設置され、特定の位置に達すると搬送装置の動作が停止するように設計されています。リミット棒は機械的な制御を提供するため、信頼性が高く、センサーに比べて比較的シンプルな構造を持ちます。これにより、加工品の位置合わせや運搬が正確に行われ、搬送システムの安全性と精度を向上させます。適切なリミット棒の設置と調整が重要であり、プレス搬送において安全性と品質を確保するために欠かせない要素となります。

  • 6S

    6Sは、5Sにさらに「安全」(Safety)を加えた改善活動です。生産現場での効率化と安全性を重視します。整理 (Seiri):不要な物を除去し、必要な物を整理する。整頓 (Seiton):必要な物を効率的に配置して整然と保つ。清掃 (Seiso):職場を清潔に保ち、汚れやゴミを除去する。清潔 (Seiketsu):整理整頓と清掃を継続して実施し、常に清潔な環境を維持する。躾 (Shitsuke):5Sの徹底を習慣化させる。安全 (Safety):作業環境や機械の安全性向上に注力し、事故予防を徹底する。6Sは、生産性の向上と同時に作業員の安全を重視した改善活動で、より効果的な改善と持続的な結果をもたらします。

  • ロックウェル硬さ

    ロックウェル硬さ(英: Rockwell hardness、記号:HR)は、金属材料やプラスチック、合金などの硬さを測定するための試験方法の一つです。ロックウェル硬さ試験では、ダイヤモンドや硬い球体のインジェクタを試験片の表面に荷重をかけて押し付けます。一定時間後に荷重を解除し、プローブが形成した印象の深さを測定します。この深さによって、材料の硬さを特定のスケールで表現します(HRA、HRB、HRCなど)。ロックウェル硬さ試験は広く利用され、金属加工や材料選定、品質管理、製品評価などに重要な役割を果たします。

  • 冷間鍛造
    冷間鍛造(英:Cold Forging)とは、金属材料を熱を加えずに塑性変形させる加工技術です。冷間鍛造の特徴は、常温の金属材料を加工するため材質や形状によっては切削に匹敵する精度を出すことが可能というメリットはあるものの、大物や長尺物の加工には向かないという側面もあります。鍛造加工には、ワークを再結晶点以上に加熱して柔らかくしてから加工する熱間鍛造という加工法もあります。熱間鍛造は、加熱・冷却が必要になることから歪み対策が必要で、高い精度を出すのは難しいという欠点がありますが大物部品の鍛造を得意としています。冷間鍛造・熱間鍛造いずれも塑性加工特有の「加工硬化」により製品の耐久性・耐衝撃性を向上させることができます。 一般に、チタンのように硬く塑性の小さい金属材料は冷間鍛造には不向きであるとされています。チタンやステンレス鋼、クロム鋼といった高硬度材を冷間鍛造で加工するには高い設計技術力が要求されます。
  • 冷間鍛造
    冷間鍛造とは、材料に熱を加えることなく、常温環境(もしくは常温に近い環境)下での鍛造加工のことを言います。鍛造加工とは、金型などを用いて、材料に圧力を加え、金属の塑性を活かし変形させることで目的形状に成型する加工方法です。 鍛造加工による製品は、切削加工によるものと比較して、ファイバーフローとよばれる「鍛流線」が保存されるため、強度が高いという特徴があります。 また、鍛造加工には、材料に熱を加えて加工を行う熱間鍛造もありますが、冷間鍛造は熱間鍛造に比べ、精度の高い生産が可能です。しかし、常温の金属は硬く、成型には大きな圧力が必要となるため、大きな製品には向かないという側面もあります。 そのため、冷間鍛造は小さい部品の大量生産に向く加工方法と言えます。 なお、冷間鍛造加工の中でも特に高精度が求められる製品の加工については、精密冷間鍛造という加工方法が用いられます。 精密冷間鍛造による加工で、精度の高い製品の大量生産が可能になったり、切削加工による仕上げが必要なくなるなどのコストダウンに繋がるなど、精密部品加工の生産性の向上につながります。 鍛造加工は、機械に取り付けられたパンチで材料を押し込み、ダイと挟み込むことで成型するため、精密冷間鍛造では、パンチとダイから成る金型の精度が加工品の精度を左右する重要な要素です。 そのため、精度の高い冷間鍛造を行うには、精度の高い金型を製造する技術が不可欠となります。

A ~ Z

  • L曲げ

    L曲げは、材料をL字型に曲げるプレス加工方法で、直角に曲がったエッジやフランジを持つ部品や構造を作るのに使われます。金型は曲げ角度や曲げ半径に合わせて設計され、材料を正確に曲げる役割を果たします。L曲げの過程では、曲げ金型によって内側と外側の曲げ半径が形成され金型の形状や加工条件は、曲げの品質と寸法精度に影響を及ぼします。量産時は、曲げ角度や曲げ半径の管理が重要であり、適切な金型保全と加工条件の選択が必要です。

  • n値(加工硬化指数)
    n値とは、金属材料の持つ「加工硬化」の大きさを見る指標の一つです。 加工硬化とは、金属に応力(内部に生じる歪み)を加えることで硬さが増す現象であり、 金属の塑性変形によって生じます。特にステンレスは、金属の中でも、顕著な加工硬化が見られます。 加工硬化の度合いを表すn値(加工硬化指数)は0~1の間で表されます。 0に近くなるほど、加工硬化の程度が小さく、1に近い方が力を加えた際の加工硬化の程度が大きいことを示しています。 切削や研削、研磨の世界では、力を加えるほどに硬化する材料は加工のしにくい素材として扱われますが、 その一方で、プレス加工の世界では張り出し成型のしやすい材料として使用されます。 ただし、材料が脆くなり粘りが低下することで耐久性の減少を招く点には注意が必要です。
  • r値 (ランクフォード値)
    r値とは、引張りによる金属材料の変形の程度を表す数値です。 r値が大きいほど板の厚みの変化が少なく、板幅の方向での寸法の変形が大きいことを表します。 (=深絞り性がよく、絞り加工に最適な材料と言えます。) 金属材料を引張る際、板幅と板厚は均等に減少することは基本的にありません。 ほとんどの場合、板幅減少が大きく板厚減少が小さくなる、又は板幅減少が小さく板厚減少が大きくなります。 金属材料には板厚方向または板幅方向のいずれかに変形しやすい性質を持っています。 そしてr値が小さい場合は、板厚の変化が大きく、幅の変形が少なくて済む材料と言えます。
  • SE検討
    SE検討(英:Simultaneous Engineering)とは、お客様が提示された仮図面・検討図に対してシミュレーション段階から成型性を検討する活動のことです。従来の製品開発から量産に至るまでのプロセスでは、開発・仕様検討⇒工法検討・工程設計⇒調達⇒試作、、、というように、いわゆるウォーターフォールモデルで、各段階が独立して活動を行っていました。しかし、このプロセスの問題点は設計仕様が一度決まってしまうと、品質向上の取り組みや工程最適化等の取り組みをすることが難しくなることにあります。 客先からの原価低減、短納期対応、品質保証の要求が厳しくなる中で概念として生まれてきたのが、SE検討(またはCE検討)です。SE検討では、設計開発段階から、調達や製造、生産技術、生産管理、検査・品質管理など各部門の担当者が積極的に入りこむため、製品開発~量産まで最適化することが可能になります。 特に近年のプレス量産分野では、ハイテン材や複雑形状製品等、従来の知見が通用しない難成型製品が増えているため、SE検討の重要性が高まっています。
  • FEM解析

    FEM(有限要素法)は工学や物理学の数値解析手法で、複雑な構造や現象を小さな要素に分割し、数学モデルで近似的に表現します。各要素ごとに方程式を解き、構造物の応力、変形、熱、流体などを解析します。柔軟で非線形性や異種材料に適用可能で、大規模な問題も計算機の性能向上で扱えます。製品設計、構造解析、材料開発、流体解析、熱伝導解析など広く用いられ、信頼性と効率性向上に寄与しますが、正確な結果を得るには適切なモデル設定や知識が必要です。

  • QC7つ道具

    QC7つ道具は、品質管理の手法を表す言葉で、次の7つのツールを指します。1. ヒストグラム:データの分布をグラフで表示し、データの特性を理解する。2. 散布図:2つの変数の関係を可視化して相関を分析する。3. チェックシート:データを収集して問題点を把握するための記録シート。4. パレート図:問題の重要度や原因を明らかにするために問題を順位付けする。5. 直交表:複数の要因を効率的に評価するための実験計画法。6. 動差図:測定値の変動を分析し、安定性を確保するための統計的手法。7. 制御図:プロセスの安定性を監視するためにデータを管理するグラフ。これらの道具を使って品質向上や問題解決に役立てます。

  • CAE解析

    CAE(Computer-Aided Engineering)解析は、コンピュータを使って製品やシステムの性能を予測し、設計の問題点を特定する技術です。CADデータから数学モデルを作り、材料や条件を設定して強度、応力、熱、流体などの情報を計算します。初期段階から利用し、試作を減らし、品質向上とコスト削減を実現します。自動車、航空宇宙、電子機器、建築など幅広い産業で使われ、高度な解析手法と専門知識が必要です。

  • Just-In-Time

    Just-In-Time(JIT)は、必要な資材や製品を必要な時に必要な量だけ供給する戦略です。主な特徴は在庫最小化、生産効率向上、品質管理、迅速な顧客対応です。これにより、コスト削減、効率改善、顧客満足度向上が実現されます。ただし、正確な計画と供給チェーン信頼性が必要で、予測誤差へのリスクがある点に留意が必要です。

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