技術コラム

FCF工法とは?~切削加工や粉末冶金と比較した特長も解説~

「FCF工法」をご存じでしょうか?

FCF工法は、板鍛造加工とも呼ばれており、部品形状の複雑化や原価低減要求が進む中で近年注目を集めています。そこで、FCF工法やプレス加工のプロフェッショナルである板鍛造・プレス加工技術 .comが、FCF工法について詳しく解説いたします。

<目次>

  • FCF工法とは
  • FCF工法と他工法との比較(切削、粉末冶金)
    • 切削加工との比較
    • 粉末冶金との比較
  • FCF工法に必要となる技術要素
    • 金型設計・製造技術
    • 設備・搬送技術
  • 当社の加工事例のご紹介
  • FCF工法による加工なら、池田製作所にお任せください

FCF工法とは

FCF工法とは、Flow Control Forming in Sheet Metalに頭文字を取ったものであり、板鍛造とも言われます。
FCF工法は、板材を素材として部品の成型を行う「板金加工」に、円柱状素材を成型する「鍛造加工」の要素を組み込んだ加工です。
つまり、FCF加工では、通常の板金加工に加え、被加工材の板厚を積極的に制御を行うことができる加工法です。

近年では、部品の高精度化、高機能に加えて、低コスト化が求められており、ネットシェイプ化が求められています。
板鍛造加工は、プレス機による加工で、複雑形状な部品の加工が可能ため、加工時間の短縮や材料歩留まりの向上などが見込めます。
板鍛造加工には、金型の製造技術や高剛性のプレス機などの技術要素が必要ですが、
切削加工や粉末冶金からの工法転換により、コスト低減を図ることが可能です。

FCF工法と他工法との比較(切削、粉末冶金)

切削加工との比較

次に、FCF工法と切削加工、粉末冶金の違いを解説します。
切削加工との比較
FCF工法は、切削加工に比べ、材料歩留まりが良く、加工時間が短いことが特徴です。
切削加工は、素材を一つ一つ削り出す加工方法のため、材料歩留まりが悪く、
金型を打ち付けて加工を行うプレス加工(FCF加工)より加工時間がかかります。
このような点から、切削加工からFCF工法へと工法転換することでコスト低減に繋がります。

また、切削+溶接などによって加工を行っていた部品もFCF工法なら一体成型が可能な場合もあり、
一体成型によるコスト低減も可能です。

一方、加工精度の面でいうと、切削加工の方が高精度な加工が可能です。
しかし、板鍛造に技術も進展しており、近年では、数ミクロンの加工精度を板鍛造加工で実現することも可能なため、ある程度高精度な部品でもネットシェイプ化が可能です。

粉末冶金との比較

粉末冶金とは、金属粉に金型で圧力をかけ成型を行う加工法です。
粉末冶金加工は、切削加工では加工が難しいような複雑形状の加工も可能な工法です。
「金型で圧力をかけ成型を行い、複雑形状の加工が可能」という点では、FCF工法と粉末冶金では同じです。
しかし、FCF工法は板材に対し加工を行うのに対し、粉末冶金は金属粉に加工を施します。
この金属粉は、板材よりもコストが高くつくことが多いため、FCF工法の方が低コストでの加工が可能です。
そのため、粉末冶金からFCF工法への工法転換によりコスト低減が見込めます。

また、粉末冶金は加工上、金属内部に気孔ができ、軽量化できるというメリットがある一方で、強度があまり高くないというデメリットがあります。
FCF工法は、金属のファイバーフローを保存した形で加工するため、強度高く部品を仕上げることが可能です。
そのため、強度が必要な部品には、FCF工法が向いていると言えます。

FCF工法に必要となる技術要素

これまで、FCF工法とは、どのような工法か、他の工法とどう違うのかについて解説してきました。
ここでは、メリットの多いFCF工法にはどのような技術要素が必要なのかを解説いたします。

金型設計・製造技術

まず、板鍛造加工を行うためには、高精度な金型が必要になります。
高精度な金型を加工するためには、設計技術、製造技術の両方が必要です、
CAEなどを用いた製造シミュレーションや試作を通じて、高精度で高寿命な金型を製造していくことになります。

また、FCF工法は、高い圧縮応力に耐える強度と安定した靱性を持つ、SKD11、SKH51のほか、
超硬合金も金型材料として用いられることが多いです。

設備・搬送技術

FCF工法は、鍛造加工の要素も含まれている加工であるため、加工を行うには、通常のプレスより高剛性なプレス機が必要となります。
高精度な金型と、高剛性な機械がある事で、複雑な形状でも精度高くプレス機のみでの加工可能になるのです。

また、加工が複数工程にまたがる場合は、トランスファープレスやRYプレスを用いますが、
搬送の工夫をすることで、より複雑な形状に成型することができます。
プレス機間で被加工材を回転させるなど3次元的な動きを加えることで、さらに複雑形状の加工が可能となり、高付加価値な部品加工が可能となります。

次項では、搬送装置も自社で製作している当社が手掛けた板鍛造加工による加工品事例をご紹介します。

当社の加工事例のご紹介

当社は、高精度な精密プレス機を保有しており、CAE、金型製造技術、搬送技術を駆使して、
板鍛造加工による複雑形状部品の加工を多数行ってまいりました。
当社が手掛けた板鍛造による加工事例を一部ご紹介いたします。

>>加工事例の一覧はこちら

FCF工法による加工なら、池田製作所にお任せください

今後、ますます要望が厳しくなる金属加工業界においてFCF工法によるネットシェイプ化、ニア・ネットシェイプ化は、コストダウンを実現するとても重要な加工法となっていきます。
金型設計・製作から、検査まで内製し、様々な要求に応えることのできる一貫製造体制を有する当社であれば、他社で断られてしまった加工も対応可能です。
FCF工法なら当社にお任せください。

>>よくある質問

>>設備紹介

>>当社だからこそできること

>>お問い合わせからの流れ

>>技術資料のダウンロードはこちら

>>お問い合わせ・見積依頼はこちら

板鍛造・プレス加工技術.comとは
  • 保有設備
  • 一貫製造体制
  • お悩み相談窓口
  • 技術提案事例
  • 技術コラム
  • 用語集
  • お問い合わせからの流れ
  • オンライン工場見学
  • 会社ロゴ